内覧会検査  横浜市の 「CHMGT」マンション 2番手

内覧会検査  横浜市の 「CHMGT」マンション 2番手 

2008年 

■ Oさんからメール

6月30日

□ はじめまして、私は横浜市在住の Oと申します、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
この度、横浜市に建築中の「CHMGT」を購入致しまして、購入者の仲間内で、GYさんが
 リーダーとして作られた、「チーム村上」のメンバーになっております。

□ 村上様の著書も拝読させて頂き、是非とも、内覧会の検査ご同行をお願いしたいと思って
 おります。
 内覧会の時期は9末ぐらいからスタートすると聞いております。
ご多忙のところ、大変恐縮ですが、何卒お力をお借りしたく、よろしくお願い申し上げます。

7月4日

□ 村上様のお考え、仕事の仕方に賛同の上、お願いしております。
 また、私にとって終の棲家と覚悟して購入決断した物件でありますし、厳しい姿勢という
 よりは、買主として当然の主張を行い、私が納得するまで、対応したいと考えております。

□ ご指摘のとおり、GYさんからご紹介頂く以前は、内覧会はプロに頼んで、自分は寸法
 とかに集中すればいいやなど極めて安易に考えていたのは事実です。
 しかし、著書や、「CHBW」の内覧会のレポートを拝読させて頂き、「これではいかん」と猛省
 した次第です。
 また、そうは言っても、私はやはり素人です。
 木を見て森を見ずのところも必ずあると思います。
 できますれば、そこの部分で村上様のお力、お知恵をお借りしたい次第です。

□ 私は「CHMGT」の内覧会の順番は早い方だと思いますので、「チーム村上」のメンバーや
 他の方々にもお役に立つことができれば幸甚です。

7月7日

□ このマンションを選んだ理由の一つは、売主がJ都市開発、NM不動産、MB地所と
 大手であることです。(安易に考えて大手がいいと思っているのではありません。なにか
 問題が発生しても、対応できる企業体力があると考えております。)          

□ 現場で2回程、ボヤが発生し、2回目のボヤについてまだ原因が特定されていないのが
 不安ではあります。
但し、現場を24時間体制で警備するなどの徹底ぶりや、現地事務所で売主、建築会社
 から丁寧な説明を受けており、その点は評価しています。  

□ 検査の結果、大きな問題が発生した場合、引渡しを受けることの延期は可能です。

7月25日

□ 内覧会同行をお受け頂き誠にありがとうございます。
早速ですが、昨日、内覧会の案内が来ました。
日程は2008年9月28日(日) 12時~となっております。
12時スタートでは、時間が不足する可能性あり、午前中からのスタートを要請する予定
 ですが、村上様のご予定は如何でしょうか?

8月20日

□ 内覧会日程について、朝一番で売主に要請をしておりましたところ、9月28日(日)
 10時~でOKが取れましたのでご連絡致します。
 ご遠方にて、ご足労をおかけ致しますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

8月23日

□ 依頼書を添付いたします。
 
□ ・売主検査報告書については、事前提出は難しいが、内覧会当日に用意するとの事です。
・電気、水道、ガス等については当日全て確認可能との事です。
・村上様が検査立会い頂く事は売主に伝えております。

8月30日

□  村上様のブログを参考に、内覧会検査に向け、売主に対し諸点事前要請し、売主
 からの返答が参りましたので、中間とはなりますが、ご報告申し上げます。
 一次回答とすれば、まずまずの内容かと思っておりますが、生活騒音確認に関して、簡単な
 対応とは曖昧な回答なので、更に詰めて参る所存です。

9月8日

□ 当方より質問していました、排気の逆流有無についての回答が来ましたので、ご報告
 致します。
 ⇒以下が、NM不動産からのメール内容です。
  ご回答がちょっと遅くありませんでしょうか?
  売主様として当然に検査されている事ではないのでしょうか?
  早急にご回答頂きたくよろしくお願い致します。

⇒ 設備に関する売主検査につきましては、先週完了いたしました。
  全ての住戸において風量測定をおこない、住戸内の換気設備が所定の機能を
  満たしているかを確認しております。
  逆流の有無については、施工図面の段階で、吹出位置や形状・方向等の検討を
  行い、幾つかのタイプの先行施工部屋で稼動状況を確認します。
 (全ての住戸での確認はおこなっておりません。)
  O様宅につきましては、昨日の売主検査の中でNM不動産HOが確認してまいり
  ましたが、きちんと排気されており、問題はありませんでした。
  (なお、確認時には、強い風は吹いておりませんでしたが、風向によっては排気逆流
  の可能性はあります。また、サッシを狭開状態でレンジフードを強運転にした場合、
  外気と同時に排気を吸ってしまう場合もあります。)
9月27日

■ 私から

□ 明日の内覧会検査宜しくお願いいたします。

□ 「CHMGT」1番手のブログリポート1日遅れで先ほどUPいたしました。
 どうぞご参考になさってください。


9月28日

■ 内覧会検査当日です。

9:50

□ Oさん御夫妻とマンション正門前のコンビニで待ち合わせ。
 缶コーヒー飲みながら、直前打ち合わせ。

 「一番手さんのブログリポートを読みましたが、わが家と同タイプなので大体予測がつき
  ました。リポートはコピーしてきました」

□ 手順と役割分担の確認

□ 「多分長期戦になると思いますので、昼食休みをとろうと思いますが・・・」

  「そうですね、ぶっ通しだと立会いの方々も大変ですからね、お店のすいた頃13時に
   休憩としましょう」

□ 「今日は、チームリーダーのGYさんも応援に来てくれます。あー来ました、来ました」

  急ににぎやかになった。

  自称 ”マンションおたく” のGYさん御夫妻、脚立持参で気合が入っている。
  GYさんご自身は、2週間後に当マンションの内覧会検査を控えていらっしゃる。
  今日はリハーサルでもある。
  そして懐かしいTTさんの顔も。TTさんは隣のタワーマンション「CHTBW」の内覧会
  検査時に、GYさんに助っ人してもらった女性。
  その人が今日は”元祖助っ人”と一緒にOさん宅検査の助っ人に・・・どんどん輪が
  広がっていく。

□ 「GYさん、このたびは団体でのご依頼をいただきまして、ありがとうございます。
   本来ならば団体割引をしなければならないのですが・・・(笑)」

  「いえいえ、元々が・・・」
 
□  コンビニ前での大勢でのにぎやかな打ち合わせの最中、いろんな人が「やあ、やあ」と
  挨拶を交わしている。
  皆さんこの辺ではカオになっているようだ。

□ かく言う私も、ゼネコンの作業服を着た顔なじみにばったり。
  「やあ、お久しぶりです」
  これまで武蔵小杉や川崎のタワーマンションで出会った人だ。
  詳しい役職はわからないが所長クラスの風貌。

□ 「先日私のマンションの仲間50人くらいが集まったんですよ。2次会でわが家に15人もが
   来て話が弾みました。とてもいいコミュニティーが出来てますよ」 とTTさん、嬉しそう。

□ 「時間です」
  6名様ご一行が入館。エントランス前でNM不動産のHO課長が出迎える。
  OさんもGYさんもTTさんも、HOさんとは半年以上も前からのお付き合いなので、笑顔が
  出て和やかな雰囲気に。
  「HOさん痩せちゃって・・・」とTTさん。

10:10

■ :受付

■ :売主報告

□ 売主3社のうちの内覧会対応幹事会社NM不動産の住宅建築部建築課HO課長
                                  ベテラン技術担当者EMさん

□ 「今日は最強メンバーでやってきましたので・・・」 と Oさん。
    
■ 売主検査結果報告 
 大きな検査記録原本ファイルをを見せながら
   
 「検査の手順はこのようなものです。施工者社自主検査⇒監理者検査⇒売主検査。
  売主の技術的な検査に先立って、下請検査会社に傷・汚れだけの検査をさせました。
  検査レディが通常1住戸あたり100項目程度の指摘をします。売主自身による検査は、
  一日一人3~4戸、1戸あたりの検査所要時間は2時間程度です。では具体的に売主
  検査結果についてご報告いたします。O様のお宅は、7月3日にNM不動産の品質管理
  担当のSTが32項目の指摘を行い、7月24日に同人が手直し確認を行ったところ、未済
  が9項目あり、7項目の新たな追加指摘をしました」

 「検査員は変えないのですか?本来ならば検査毎に人を変えるべきなのでは?」

 「検査員によってばらつきの出ないように事前に対策しております。次に、指摘内容を
  具体的にご説明いたします。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 「えっ? 三面鏡に傷があったんですか? それでどのように処理したんですか」 と奥様。

 「もちろん取り替えました」

 「9月19日に、私EMが全ての手直し完了確認をいたしました」 
     
  「設備関係は?」

  「施工者からの自主検査結果報告を受けまして、その後売主として2割くらいの抜き取り
   検査をしております。O様宅は抜き取り検査の対象ではありませんでした。では施工者
   の設備担当者から具体的にご説明いたします」

  設備担当者が呼ばれ、自主検査結果内容の説明があった。

  「私が以前から心配しているキッチンや浴室の排気逆流の有無の検査は行ったのですか」

  「排気性能だけのチェックです。その日の風の状況によっても違いますので・・・」

  「今の家で、魚を焼いた臭いや煙が逆流してくるんですよ。とても嫌なものです。そういう
   逆流現象が多いようですが、CHTBWでもそういう指摘があったんですよね。何とか改善
   できないんですか?プロなんだから。排気口は窓のないところに設けるとか・・・」

  「まずはご覧になっていただきまして・・・」

  「未済事項はないのですね? 完璧なのですね」

  「はい」

□ 「検査済証写しは既に送っていただきました」

□ 設計変更報告

 「専有部分の変更は一切ございません」

 「共用部分の変更はたくさんあるでしょうから、報告は検査後にお願いします。なるべく
  早く検査開始したいものですから」 

□ ホルムアルデヒド関係報告書の説明

□ 買主検査記録用紙の確認  記録の仕方の原則確認。

□ 検査準備状況の確認
 「設備機能は全て生きております。検査用具類も全て準備しております」

□ 「騒音実感確認は検査終了後にしましょう」

□ 「長期戦になると思いますので、13時に昼食休みを1時間ほどとります」 とOさん。

□ 「それではお部屋へどうぞ」

11:00 
 
■ 入室

□ 立会者 売主3社のうちの内覧会担当幹事会社NM不動産 品質管理のEMさん
        施工者MD建設工業のTJさん
        内覧レディTNさん 
 
□ Oさんは、内覧レディから設備説明を受ける。
 そして施工者とオプション・セレクトと基本機能の確認。
 
■ 当方検査開始

□ サッシュの気密チェックから。
 今回も問題あり。数箇所で気密不良箇所がある。建て入れが良くない箇所も。

□ 共用廊下・ポーチのチェック
 外装の完成度はとても良い。
 ポーチ前の天井にある隣戸の浴室系統の排気口が問題。
 メーターボックスの扉のがたつき。
 玄関サイドパネルのなんとポケット状になっている新聞受の問題。

11:15

□ 設備説明や諸々の確認作業を終えて、Oさんいよいよチェック開始。
 検査員が大勢なので、あちこちでにぎやかな声が聞こえてくる。
 
□ バルコニーのチェック。
 窓開口上部のキッチン系統・浴室系統の排気口、排気口形状と窓との位置関係からして
 室内に排気が侵入するのは目に見えている。バルコニーと柵で仕切られた室外機置場の
 奥にある雨水排水口、これでは清掃できない。
 手摺や排水溝や外装仕上はほぼ完璧。床の一部に長尺シートの剥がれ・浮きあり。
 あれっ?どうしてここに給気口がないんだろ? 標準プランで洋室(3)となっている部分の
 間仕切壁を取り止めてリビングを拡張した話はOさんから聞いていたが・・・給気口を
 取りやめてしまったのか? 当然必要だ。

  後ろでなにやら擦る音がする。振り向くと、”マンションおたく”さんが打診棒で長尺シートの
 チェックをしている音でした。お株を奪われてしまった・・・
 
□ 水周りのチェック
 良好。水漏れなし、ディスポーザの自動給水OK、水栓蛇口はシンク内に納まっている、
 浴室パネルOK、シャワー位置OK、バスタブ排水状況・時間OK、排気OK、浴室天井内OK
 バスタブ奥に手摺がないのが気になる。

□ キッチンのチェックが終わったところで、
 「お昼休みにしましょう」 0さん几帳面だ。

13:00

■ 昼食休み

□ 「最初はやっっぱり緊張していたんですね~。手順や役割分担を頭に叩き込んでいた
   筈なんですが、メルマガやブログをプリントアウトして二人で読んだりしてたんですが・・・
   部屋に入るなり、わからなくなってしまった(笑)」

□ 「例の六会の溶融スラグ入コンクリートのニュースを聞いた時には、びびってしまいましたよ。
   すぐにゼネコンの現場事務所に電話しちゃいましたよ(笑)」

□ 「GYさん、今日是非お聞きしたいと思っていたんですが、騒音実感確認をNM不動産に
   対応させることが出来たのは、どういう手を使ったのですか?」

  「いやあ、半年間ひたすら説得し続けただけですよ。メールとか電話とかで。買主にとっては
   ほんとうに必要なことであるということ、また売主にとってもメリットがある筈ということを、ただ
   ひたすら。ある時、NM不動産のHOさんから電話があって、騒音実感確認は対応させて
   いただくことになりましたと・・・ なんだか拍子抜けしてしまいましたよ(笑)」 

  「小火事件とかの負い目があったからでしょうかね?」

□ 「GYさんとOさんとの出会いは?」

  「私は工事中の施工記録を見せてくれと以前から要求していました。売主の事務所に
   出向いてくれば見せるというので、書類とかビデオとかをチェックしていました。断熱状況
   とか、床下の吸音材とか、ちゃんと施工されているか・・・ Oさんは、二度の小火事件の
   詳しい話を求めて来ていた。そこで出会ったのですよ。で、どうせなら一緒に話を聞き
   ましょうということに・・・」

□ 「今回、団体(笑)で依頼してこられた経緯は?」

   「CHのSNSに私が参加して、メンバーの皆さんに呼びかけたんですよ。情報交換しま
    しょうと。そして内覧会検査を一緒に村上さんに頼みませんかって。私と村上さんとの
    出会いは目黒のタワーマンションの単身女性の内覧会検査でしたね。私達5人の
    ”マンションおたく”が助っ人で駆けつけました」

   「あの時は実に見事でしたね。そうそうたるメンバーが、検査開始と同時に、パッと散って
    事前の役割分担に従って配置につき、実に手際よく黙々とチェックを進めていました」

   「理事長経験者が二人、その他は理事経験者、そしてプロ顔負けの知識を持った人とか。
    あの後、いろんな人のマンションを見せてもらいました。間取りは様々だし、仕様もいろいろ、
    マンションって、ほんっとに面白いですね~」 映画評論家の顔が浮かんできました。

□ 話が弾むが、時間が来てしまった。

□ マンションの門を潜るとき、
  「どうもこの門の上のむき出しの鉄骨の骨組みが不細工ですね」

  「門自体はせっかくいい雰囲気に出来上がっているのに、この鉄骨でぶち壊しになっている。
   エントランス前の大きな屋根も同じですね。視覚的にマッチしないんですよ。Oさん、売主の
   HOさんに改善を求めましょう」

  「駐車場入口のチェーンゲートがバーゲートに変更されたのも同様ですね」
 
  さすが、OさんもGYさんも共用部分に対する意識も高い。

14:10

■ 検査再開

□ 水周りの残り、トイレから。
 給排水・排気Ok、扉アンダーカット十分、取り付け金物等もOK。
 吊戸棚の扉を開けて、にこっとしてしまった。硬い戸当たりゴムの上にナミダメが貼ってあった。
 1番手宅では閉鎖音が酷かったが、無音。NM不動産のEMさんの傾向と対策の結果だ。

□ 内装の完成度は高い。床鳴りもない、振動もない。巾木と床フローリングとの隙間は
 しっかり確保されている、建具アンダーカットは十分、開閉状態良好、建具開閉による
 怪我防止対策も十分。

□ 「なかなか良い出来じゃないですか」 ”マンションおたく”さんの声が聞こえてきた。

 
15:15

■ 売主に指摘事項の伝達と記録

□ 売主は終始立ち会ってくれていたので、買主Oさん・助っ人GYさんTTさんの指摘はその
 都度伝えられており、確認と記録は終わっていた。私のチェック結果を皆さんにお伝えする。

□ 「廊下手摺際外壁面が汚い雨筋跡がそのままです。クリーニングするだけでなく、原因を
   調査してください。例えば手摺外の大梁天端面が逆勾配になっているかもしれません」

  「調査の上対処いたします」

□ 「メーターボックスの扉のがたつきを直してください。風でばたばた煽られてお隣に迷惑が
   かかりますので」

□ 「ポーチ前のお隣の浴室系統の排気口からの結露水滴下防止対策をお願いします」

  「他の方からのご指摘もありましたので、検討しております」

□ 「玄関サイドパネルのポケット状の新聞受けは問題です。ゴミや水が溜まりますね。掃除
   しにくいし水は溜まりやすいし、不潔になりますね」
   
  売主のEMさん、すかさず紙コップから水を流し入れる。出てこない。みんな怪訝な顔。
  もう一度やる。「あっ、出ました」と嬉しそう。「さっきは水の量が少なすぎたんですね。
  表面張力で出なかったですよ」

  「今、水が出ればいいということではないでしょう。完全にポケット状になっているので
   当然ゴミ溜まりになります。水抜孔だって詰まる。ポケット形状の底部分の前面に
   開口が無いことがそもそもの問題なんですよ」

  「検討いたします」

□ 「バルコニーの外壁に排気口が2個あります。一つはキッチン系統、もう一つは浴室系統、
   いずれもその直下に引き違いサッシュがあるため、排気が室内に侵入してしまいます。
   窓だけでなく直下の給気口からもショートサーキットしてしまいます」

  「他でもご指摘がありましたので、検討しています」 

□ 「バルコニーの端にアルミ柵があって、その向こうが室外機置場になっています。その奥に
   雨水排水口があります。そこにこの広いバルコニーの雨水が流れ込むわけですが、
   室外機を設置すると、殆ど清掃できません」

  「検討いたします」

□ 「各室のアルミサッシュの気密不良箇所がかなりあります。全てのサッシュと給気口を閉めて
    レンジフードファンを運転してみます。テープを貼った箇所に手を当ててみてください。
    風を感じますでしょう。その部分が気密不良なのですよ」

   今日は売主も積極的にカードを差し込んだりして確認してくれた。

□ 「この部分は標準プランで洋室(3)となっていたのを間仕切壁を取りやめて、リビングを拡張
    したのですね。この部分の外壁にあった筈の給気口がなくなっています。現状でも必要
    ですし、特に将来元通り部屋をつくることになった場合に、24時間換気用の給気口が
    無いことになってしまいます。どういう判断で取りやめてしまったのでしょうか?外壁は共用
    部分ですから、入居後に孔を開けることは事実上困難です。だから取りやめたりせずに、
    残しておくべきなんですよ。元通りに換気口を設けてください」

   「了解いたしました」

□ 「それに関連してですが、この部分の天井にあった筈の火災感知器がなくなってしまって
    います。元通り取り付けてください」

   「了解いたしました」

□ 「浴室バスタブの奥に手摺があっていい筈ですが、ありませんね」

   「これはオプション扱いになっています」

   「そうですか、では入居後必要性を感じた時に取り付け可能なように、下地が入って
    いるかどうかを確認してください」

   「調べます」

16:15

■ 騒音実感確認

□ 今日は売主のEMさん自身が隣戸や上階住戸で生活騒音相当音を出してくださった。

□ ラジカセのMAX音を事前にこちらで確認する。ものすごい音量。
 そのMAX音で隣戸から流してもらった。聴こえる、徐々に下げてゆき聴こえなくなったところで
 ストップ、こちらへ持ち帰り再生。Oさん安心できるレベルであった。

□ 隣戸・上階からの固体振動音の影響。
 多くのタワーマンションの聴こえ方同等、決して悪くはない。
 界壁の乾式耐火遮音間仕切壁への衝撃音が掌に伝わることを実感していただいた。

 「EMさん、おつかれさまでした。お陰で実感できました」

 「ちなみに65キロです(笑)」

16:45
  
■ :指摘事項のまとめ

□ 売主3社のうちの内覧会担当幹事会社NM不動産建築課HO課長、ベテランEMさん
   施工者MD建設工業のTJさん

□ 「先ほどご指摘いただきましたバスタブ奥の手摺について、オプションだと申し上げましたが、
    実は本工事に含まれていました。従って取り付け未済です。申し訳ありません」
    とEMさん。潔い。ごまかしたりしない。

  「えっ、他の住戸も調べてみてください」 とHO課長が指示する。

□ 検査記録の読み上げ確認。
  
□ 「手直し完了確認日は11月1日です」

 「では、10月25日までに、売主さんとしての手直し完了確認結果を私宛に提出して
  ください。そして今日立ち会っていただいた方が次回も立会いをお願いします。
  売主さんとしての検討結果の報告を2週間以内にお願いします。くれぐれも杓子定規な
  回答にならないようにお願いしますね」 とOさん、釘をさす。

□ 双方が署名捺印してコピーを受領した。

■ 終わって、

  「GYさんおつかれさまでした。次の日曜日も助っ人ですか?」

  「ええ、多分・・・」 と嬉しそうに笑った。

□ エントランス前で、Oさん御夫妻と立ち話での反省会
 Oさんは、この後GYさんと一緒に共用部分についての打ち合わせを売主とするとのこと
 なので短時間に終わらせた。

 「いかがでしたか?」

 「思っていたよりいい出来でした」 とご主人。

 「満足しています」 と奥様。

 「確かに内外装工事の完成度はすばらしかったですね。ただ、設計上の問題がいろいろ
  ありました。排気侵入、結露水滴下の恐れ、不潔になる新聞受け、雨水排水口清掃
  の問題。そして給気口や火災感知器を取りやめてしまった判断ミス等々。ここで生活
  する者の立場に立った配慮が不足していたということでしょうか」
  
 「その点を今後しっかり追及していきます」


17:45 

■ 検査終了

■ 検査所要時間  6.5 時間

■ 指摘事項      70 項目

■ 大きな指摘事項 (傷・汚れ以外)

□ 共用廊下手摺際 外壁面に汚れた雨筋跡 清掃 原因調査

□ 共用廊下 隣戸浴室トイレ系統排気口からの結露水がポーチ先に滴下する恐れあり 

□ ポーチ メーターボックス扉 がたつきをなくす

□ ポーチ 新聞受がポケット状になっておりゴミが溜まりやすく不潔になる 掃除しにくい

□ バルコニー キッチン系統・浴室トイレ系統の排気が窓から洋室に侵入する
   直下に設置されている給気口からも侵入する恐れあり

□ バルコニー 室外機置場との間の柵 ナットの締め付け不良

□ バルコニー 床 長尺シート 浮き・剥がれ

□ バルコニー 排水溝 ウレタン防水 一部傷

□ 室外機置場(バルコニーと柵で仕切られている)内の雨水排水口のゴミ掃除が出来ない 

□ 洋室(1)(2)・リビング アルミサッシュ 気密不良

□ 洋室(1)・リビング アルミサッシュ 建て入れ不良

□ 洋室(2)・リビング アルミサッシュ FIX部分 水抜孔 一部詰まり

□ 洋室(1) アルミサッシュ下枠アングルとフローリング 不陸

□ リビング(洋室3を取りやめた部分) 外壁にあった筈の給気口が無い 必要

□ リビング(洋室3を取りやめた部分) 天井にあった筈の火災感知器が無い 必要

□ リビング アルミサッシュ 上部 外れ止め 固定未了あり 

□ リビング 出入口枠取り合い 壁クロス めくれ

□ 主寝室 ウォークインクローゼット 巾木端部 剥がれ

□ 洗面室 洗面台 引き出し 閉鎖音が煩い

□ 浴室 バスタブ奥の手摺 取り付け忘れ


■ 問題点

□ 隣戸 浴室トイレ系統排気口からの結露水がポーチ前に滴下する恐れあること
   (排気する位置が不適切)

□ 新聞受け ポケット状の形状になっているのでゴミが溜まりやすい 掃除しにくい
   (形状の検討不十分) (ゴミや水が溜まり不潔になりやすいことを考えなかった)

□ キッチン系統・浴室トイレ系統の排気が窓開口や給気口から室内に侵入する 
   (窓や給気口との位置関係及び排気口形状の検討不十分)

□ 室外機置場 雨水排水口のゴミ掃除が事実上出来ない 
   (雨水排水口の位置不適切 柵の手前のバルコニーに設けるべきだった)

□ 各室 アルミサッシュ 気密不良・建て入れ不良箇所が多い

□ リビング~洋室間の間仕切壁取り止めた際、誤って外壁の給気口や天井の火災
 感知器を取りやめてしまったこと (判断ミス)

□ 未済は無いとのことだったが、バスタブ奥の手摺取付未了が見逃されていたこと
 

■ 良かった点

□ 売主がその完成検査記録を見せて報告したこと

□ 外装・内装の完成度は高かったこと

□ 売主ベテラン技術者が終始立ち会ったこと

□ 施工者が終始立ち会ったこと

□ 売主が騒音実感確認に立ち会ったこと 画期的なこと!!(NM不動産としては)

□ 騒音実感確認の結果は、買主としても安心できる程度であったこと

□ アルミサッシュに指挟み防止ストッパーが設置 (安全配慮)

□ 各室出入口扉にアームストッパー若しくは煽れ止め設置 (安全配慮)

□ 引戸 彫り込み引手に引き残しあり (安全配慮)


その夜

■ Oさんからメールが届きました。              おつかれさまです。
  
  本日は、誠にありがとうございました。
お蔭様で、本当に有意義な内覧会検査を行う事が出来ました。
ご指導頂いた点を再度よく確認し、再内覧会に臨む所存です。

  また、村上様のように仕事にプライドを持ち、徹底して対応されるお姿に感動すら
 覚えました。
 まだまだ未熟者の小生にとって、本当にいい人生勉強をさせて頂きました。
 心から御礼申し上げます。

 これからも検査が続き、また朝晩冷えて参りましたので、お身体には十分ご自愛下さい。
ありがとうございました。


9月29日

■ 自称”マンションおたく” GYさんからメールが来ました。

  先日は、Oさんの内覧会検査に同行させて頂き、本当に有り難うございました。
 とても勉強になりました。
 何回か内覧会検査を同行させて頂くと、今まで見えていなかったものが見えてきた
 ように思います。
 特に、サッシュの気密性のチェックについては、毎回感心致しております。

  Oさんの内覧会では、少々出過ぎた処までやってしまい(サッシの結露排水チェック)、
 内覧レディの方に、「それは村上先生が検査されますので」と、止められてしまいました(笑
 MD建設工業の担当の方からは、「プロの方だと思いました」と言われてしまい、「色々と
 検査をされていますね。検査用具を進呈しますので、これからも宜しくお願いします」と
 言われました。
 冗談だと思いますが、村上さんの見よう見まねでやっているだけなので、恐縮してしまい
 ます。

 マンションとは、本当に奥が深くて面白いものですね。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


            NHK出版 生活人新書   

■□■  「良質なマンションを手に入れる」 村上 健 著  ■□■

         どうぞ、ご参考になさってください。


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

  一級建築士 ・ マンション管理士
  村上 健
  HP      http://www5d.biglobe.ne.jp/~t-muraka/
  メルマガ   http://www.melma.com/backnumber_63026/
  ブログ    http://kensanno-mansion-advice.at.webry.info/

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この記事へのコメント

GY
2008年10月02日 13:47
Oさんの内覧会に立ち会わせて頂いたGYです。
いつも、側で村上さんの検査を拝見させて頂いて、本当に勉強になります。
早くから、売り主さんと交渉していたお陰で、NM不動産のHO課長やMD建設のSK所長とも顔見知りになっていたので、内覧会では私も驚くほどスムーズに話ができるようになりました。
他のマンションで問題になる売り主や施工会社の検査チェックリストもすんなりと見る事が出来るようになっています。
これも、村上さんから買い主の姿勢をアドバイスして頂いたお陰です。
改めて、御礼申し上げます。

また、既に検査を終えたチーム村上のメンバーからも、村上さんの検査について依頼して本当に良かったと絶賛の感想を頂いております。
村上さんをご紹介した私としても、とても嬉しい限りです。
これからも、よろしくお願いします。

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