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内覧会検査 足立区の 「ISA」マンション 2番手 後篇 (この前に中篇があります) 2009年 1月 9日 ■ 内覧会検査当日です。 □ 雪の予報だったが雨。 8:30 ■ EWさんご夫妻・TOさん・ I Nさんご夫妻と最寄り駅前で待ち合わせ。 今日は主役のEWさん、緊張感みなぎった面持ちです。 年末1番手としての大役を果たされたTOさんは、ちょっと遅れて到着。 「すみません、すぐ近くに住んでいるのに。出掛けに急な用事が入ってしまって・・・」 INさんは3番手として2日後に内覧検査を控えてらっしゃって、今日は予行演習兼助っ人。 □ コーヒーを飲みながら直前打ち合わせ 「EWさん、用意周到ですね」 「ええ、マニュアル人間ですので(笑)」 □ 「ではそろそろ参りましょう」 「EWさん、雪男になれませんでしたね」 会場は年末の1番手TOさんの時と同様、両側に紅白の幕が大々的に張られている。 そして道路から入る部分は工事用仮設の鉄板の上を歩く。すぐ横で門だろうか?型枠 工事が行われている。 「未だ竣工したわけでもないのに、内覧検査で紅白の幕ってないよね」 とTOさん。 9:00 ■ 受付 ■ 売主報告 □ 売主の幹事会社C I 建築監理部一課YNさん □ 売主検査結果報告 「ではご報告します」 「その前に、私にこれまで対応してくれたONさんは今日は対応していただけないのですか?」 「はい、今日は確認会でもありまして、そちらのほうに対応しておりますので」 「YNさん、あなたはどういう立場なのですか?お名刺いただけますか」 「はい、ONと同様の部署でして、他の物件担当なのですが内覧会には応援で来ております」 「これまで私がONさんとやり取りしていろいろ要求していることも伝わっているのですか?」 「はい、伺っております」 □ 「では売主検査記録はこちらです。一番目 ・・・」 と読み上げ始めたので、 「個々の指摘事項の説明以前に、全体的な報告からしてください。いつ・だれが・ 何項目の指摘をし、いつ・だれが手直し完了確認をしたのか、そして全て完了して いるのか」 「10月7日に外注先の建築担当者が29項目の指摘をしました。その後、当社CIの 建築監理部のSKが21項目の追加指摘をしました。手直し完了しております」 「手直し完了欄にチェックのレ点があるだけですが、いつ・誰が確認したのですか?」 「完了確認はゼネコンです。日付と氏名は記載されていません」 「ゼネコンの確認というのは、指摘されたことの手直しが終わりましたという報告だけ であって、その結果が所期の通りかを判断するのは、検査者である売主でしょう。 なぜ売主自身が確認しないんですか?」 「ゼネコンを信頼しておりますので・・・」 「未済は無いんですね?」 「一項目だけあります。トランクルーム内部のビスが1本不足していることです。指摘の 詳細をご説明しますか」 「それは先日聞いていますので結構です。では完璧な状況になっているんですね?」 「売主として完璧と認められる範囲にはなっております」 と売主YNさん。 □ 設計変更報告 「以前ご報告した内容の他にはありません」 □ 「検査済証と建設住宅性能評価書の写しを下さい」 「2月に交付される予定です。交付され次第写しを提出いたします」 □ 「設備機能は全て生きていますね? 検査のための用具類は全て整っていますね?」 「はい」 □ 「前回のTOさんの検査での指摘事項のうち共通する事項への対応は?」 「バルコニー隔てパネルの隙間の対応につきましては、共用部分お披露目会までに明確に します。引戸引き込み側壁の巾木に対しては現状のまま無しとさせていただきます。 引戸のブレーキは現状の仕様でご理解をいただいています」 「NNさんは引戸の衝撃騒音について実感確認しているんですか?」 「いえ、やっておりません」 「今日一緒にやりませんか」 「他の住戸に入っての確認はいたしません」 「拒否の理由は何ですか?」 「音については個人差がございますので」 「だから実感確認する必要があるのです」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「私はこれまでいくつかのマンションで騒音実感確認を経験してきましたが、騒音の影響は 大きいです。売主として検証し買主の不安を解消する必要があるのです。そのことは 私の内覧検査の時にも話しましたが」とTOさん。 「お断りします」 「どうしても拒否するなら、音に関する問題点の改善を指摘します。買主の立場に なって真剣に考えてください」 とEWさん。 □ 検査記録用紙の内容確認と記入の原則確認。 □ 「共用部分の天井目地の件で、御社に対する不信感が強いです。そこで誠意ある 対応をしていただくことの誓約書を用意しました。読み上げます。・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 強制ではないがお願いするまでもない当然の対応だと思います。対応してくれる ならここに署名してください」 「曖昧な表現がありますので、そういうつもりはなくても結果的にそうとられて しまうのが心配です」 「これまでは”できません”と即拒否してしまい、考えることすらしていなかった。創意 工夫が必要だと思います。売主の都合を先ず考えるのではなく、買主の立場に なって考えて対応してください」 「一個人がサインできるかどうか会社と相談します」 「署名できないんなら判断できる方に今日中に確認してください」 □ 「検査最終段階で指摘内容確認のため立ち会って下さる方は?」 「私YNが立ち会います。今日は公式内覧会ではないので、内覧レディーはおりません。 設備関係はZT組の I I がご説明します」 □ EWさんから買主検査を始めるに当たり、売主・施工者に対して注意事項・要求 事項を具体的に伝えた。 「では、検査を始めます」 10:10 ■ 入室 □ 立会者 売主CIのYNさん 施工者ZT組リーダーSKさんと設備担当 I Iさん。 ■ EWさんが助っ人の皆さんに役割分担を確認。 ■ 検査開始 □ アルミサッシュの気密状態チェック 気密不良箇所1箇所あり。 □ エレベーターホール・共用廊下・ポーチのチェック ・ エレベーターホール 三方枠周り一部未済工事や床仕上げの不具合がある。 ・ 共用廊下 開放廊下でない部分の二重天井の一部になにやら四角い凹み部分 がある。なんだろ? エレベーターとの間の壁で囲まれた廊下で薄暗いのでライト を当ててみるとなんとその凹んだ部分に二つの排気口があった。 形状からして、キッチン系統と浴室・トイレ系統の排気口だ。 どうしてこんな設計をしてしまったのだろうか。唖然とする。 ・ ポーチ前の大梁に二つの排気口がある。 一つはキッチン系統、もう一つは浴室・トイレ系統。共用廊下側にキッチン排気を 出す設計に首をかしげる。おまけに悪いことに排気口の前面が防風板で塞がれ ているため排気風は下方に吹き出される。廊下を通る際に頭にキッチンの排気 を吹き付けられるのだ。 どうしてこんな設計をしたのだろうか? ・ トランクルームやメーターボックスにも夫々設計上・施工上の問題あり。 トランクルーム扉を開けてみてびっくり。扉の内側僅か20センチのところに巨大な 柱が・・・ 左側の子扉(普段はフランス落しで閉めておく方)を開けると、その部分には通常 の奥行きのスペースがあった。親子扉の親と子とが逆転している。 どうしてこんな設計をしたのだろうか? ここで生活する人の立場になって考えられないのか? □ バルコニーチェック ・ 隣戸間隔てパネルの両側に大きな隙間があり、互いに見えてしまう。 どうしてこんな設計をしたのだろうか? 売主はプライバシーとか居住性とかをどのように考えているのだろうか? □ 室内に入る。 □ ”巨漢”TOさんが、各室をくまなく踏み歩いている。 「私、床鳴り担当です。正月で2sほど増えましたのでちょうどいい(笑)」 □ 女性軍は、TOさん提供の”マイ”レーザーで、天井高さを測ったりして記録している。 □ 水周りチェック ・ キッチン 水栓蛇口がシンクから外れる。これでは水が床に流れ落ちてしまう。 ・ 浴室天井内部 大梁の向こう側の洋室方向に延びている排気ダクトと貫通スリーブ に大きな隙間があり、騒音が侵入するのではないかと懸念される。 ・ 浴室浴槽への湯張りの後排水時間は適切だが、排水時のゴボゴボ音が気になる。 ・ 洗面室 洗面化粧台 水栓からの水が多すぎオーバーフローが間に合わない。 □ 内装・建具チェック ・ 内装の完成度は非常に高い。 ・ 各室出入口が扉でなく殆どが引戸になっているが、その関係で問題あり。 閉鎖衝撃音が大きいし、引き込み側の壁になんと巾木が無い。 ・ 中洋室 24時間換気用給気口がない。これでは奥のほうの空気が入れ替わらない 出入口開き扉だが、煽れ止めなし。 13:10 ■ 昼休み □ 「マイ打診棒を忘れてしまって・・・ 子供のおもちゃにされてしまったんですよ。マイレーザー は仕事で使っているものです。忘れないようにしなきゃ(笑)」とTOさん。 「PCMKではものすごい数の依頼を受けていますね」 「ええ、ただ”マンションオタク”GYさんとか、”マンション研究者”TOさんのような核になる 人はいないんですよ □ 大勢での食事なので、にぎやかだった。 14:15 ■ 検査再開 □ EWさんと助っ人の人たちのチェックは終了したとのことで、先に売主に指摘事項の 伝達を始めていただく。 私は検査続行。 □ 私のチェックが終了したときEWさんの指摘伝達は未だ終わっていなかった。 「どうしますか、先に村上さんの指摘に伝達をしますか?」 「それほど長時間かからないようでしたら終わらせてしまってください。私のほうは共用部分 の指摘が多いので暗くならなければ結構です」 16:00 ■ 売主に私の指摘事項の伝達 □ 立会者 売主幹事会社CI建築監理部YNさん 施工者ZT組リーダーのSKさん 設備担当 I I さん □ 私のチェック内容を皆さんにご説明しながら記録してもらう。 □ 「エレベーターホール入口付近の非開放廊下の二重天井に25cm角の孔がふたつ 開いていますね」 既に暗くなっていたので懐中電灯で照らす。その光で見えたのは排気口。 「いずれもこのお宅の排気口です。一方がキッチン系統、一方が浴室・トイレ系統の排気。 こんな状態で排気したらどうなるか? 排気風が真下に吹き出す、キッチンの臭気と 浴室の臭気と湿気、そして排気騒音が周囲に篭ってしまう。エレベーターホールにも 流れ込むでしょう。雰囲気ぶち壊しです。どうしてこんな設計をしたのでしょうか?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「これはびっくりですね。普通に考えて問題がないとは思えませんね」とEWさん。 「普通キッチンの排気ってバルコニー側に出しますよね。これじゃカレーの臭いとかが 共用廊下やエレベーターホールに漂ってしまう・・・・・」 と”マンションオタク” ”マンション研究者” のTOさん。 「排気性能を検証いたします」 と売主YNさん。 「排気性能のことを言っているんじゃないですよ。排気はするでしょう。問題は どこでも出せるところに出せばいいということじゃないということです。その家 から排出した排気は本来夫々の領分で処理すべきなんですよ。他人に迷惑 をかけない。つまりバルコニー側に排出すべきなのです。やむを得ず共用 廊下側に出さざるを得ないのであれば、排気による悪影響の出ないような 設計にすべきなんですよ。この場合であれば、こんな開放部分でもない 廊下に排出したりせずに、開放廊下の先端まで排気ダクトを延長させるとか、 設計上の常識だと思いますが」 「構造の梁とかの関係を調べてご報告します」 □ 「各住戸の玄関ポーチ上部の梁に排気口が夫々2個ずつ設置されていますが、 そのうちの大きい方これはキッチン系統ですね。このように排気風が頭に吹き 付けます。原因は前面に防風板を設けているためです。通常はガラリになって いるので斜め前方に吹き出し頭の上を通過するので殆ど問題ないのですが、 このような形式の器具を採用するのであれば、その影響もよく検討する必要が あったのでは?改善してください」 □ 「トランクルームの親子扉の親扉を開けてみてください。扉の内側すぐのところに 巨大なコンクリート柱があって、その間は僅か20p程度の隙間しかなく殆ど 物が置けませんね。一方反対側の子扉、こちらは普段は開けられないように フランス落しで半ば固定されています。こちらを開けるとその奥には70cm程度 の奥行きがあり、通常のトランクルームとしてまともに使えます。これでおわかり のように、親扉と子扉との開閉状況が全く逆に間違っているんですよ。どうして このような設計をしたのでしょうか?」 □ 「トランクルーム扉内部にサムターンが付いていますが、これは不要ですね。 却って安全上の問題があると思います。検討してください」 □ バルコニーでは隣戸間隔てパネルの左側と右側の両方に大きな隙間があったが、 既にEWさんから指摘がされていた。 □ 「洋室(1)のアルミサッシュに気密不良箇所があります」 「そうは思いませんが」 「いや確かに気密不良です。私も外気が入ってくるのを手に感じましたよ」とEWさん。 「どうすればいいのでしょうか?」とYNさん。 「どうすればって、外気の入ってくるところを塞げばいいことです。どこから外気が入って くるかというと、クレセント受け金具裏の塞ぎ材とシール端部とにこのうような孔が 開いているからです」 □ 「洋室(1)(2)とも給気口が腰窓の下に設置されています。何故このような位置に 設置したのでしょうか? この外側はエアコン室外機置場ですから機械騒音が 侵入するし、共用廊下歩行の靴音が侵入してきてしまいます。本来は高い位置 に設けるのが、何らかの理由でこういう位置にせざるを得なかったというなら、その ことによって発生する問題点を考えるべきだと思います。防音型にしてください」 □ 「洋室(1)と(2)の(ウォークイン)クローゼットの棚がなんと界壁(乾式耐火遮音間仕切壁) に固定されてしまっています。隙間を開けて絶縁するのが設計の常識ですが」 「界壁に固定しないと柱を立てなければなりませんので」と売主YNさん。 唖然とした。なにが大事だということがわかってらっしゃらないらしい。 棚の支持方法はいろいろある。柱を立ててもいいし、上から吊ってもいいのだ。 要は、やってはいけないことはやってはいけないということ。 「そして洋室(2)ではなんと乾式耐火遮音間仕切壁の界壁にハンガーパイプを ビス止めしちゃってますよ」 「管理規約と矛盾していると思われると思うのですが、きちんと施工しています ので問題ありません」とYNさん。 「問題ないって・・・ 乾式界壁に固定してしまっては振動騒音が伝わるし、ビスで 孔をあけてしまったら耐火性能や防音性能に影響するでしょう」 「それに使っているうちに耐久性にも影響が出るんじゃないですか」とEWさん。 「メーカーに確認します」 「そのようなことを気にする人はマンションには住めないですよ」とZT組のSKさん。 □ 「各室に多用されている引戸ですが、戸先上部にブレーキが設置されていないので、 衝撃音が隣接住戸に伝わります。衝撃防止のブレーキは必要です」 これも既にEWさんから騒音防止の観点から指摘されていた。 □ 「各室引戸の引き込み側壁に巾木が設置されていませんが必要ですね」 □ 「中洋室に給気口が設置されていませんが必要です」 「リビングと中洋室とは基準法上2室1室の考え方をしていますので問題ありません」 「この状態で実際に24時間換気が機能すると考えているのですか?室の奥の部分に 給気が無くて空気が入れ替わるのですか?」 □ 「キッチン水栓蛇口がシンクからはみ出しています。流れ出した水がカウンターから 床に流れ出す恐れがあります。 シンクからはみ出さないように水栓蛇口の回転角度 を調整してください」 「中洋室の出入口扉に煽れ止めが設置されていません。必要です」 □ 「浴室天井点検口から覗いてみてください。排気ダクトが上部大梁を貫通して 洋室(2)の方に延びているのが、スリーブの隙間から見えます。水周りの騒音や 天井内部の換気ファンの騒音などが侵入しないように配慮してください」 「主寝室への騒音の影響を言っているのですか?」 と売主YNさん。 「”主”かどうかは関係ないでしょう。水周りと居室間は騒音防止の配慮が必要でしょう」 □ 1番手さんの時には、「できません」「モデルルームどおりです」「ご理解いただき たいと」の連発だったが、今日はEWさんが検査前にそういうことは言わず誠実に 対応することの誓約書にサインを求めていた効果があったのだろう。 検査中にそのセリフはでてこなかった。 □ 「ウォークインクローゼットに通気孔を設けたり、界壁と直交する間仕切壁を絶縁 したりするなど気配りしているかと思うと、同じようなほかのところでは全く配慮 していない、どうも筋が一貫していませんねえ」と”マンションオタク””マンション 研究者” TOさん。 「私のときも今日と同じ今頃には検査終わったんですが、その後の時間が長く かかってしまった。売主担当者の対応が頑なだったので。さて今日は?」 と TOさん。 17:30 ■ 指摘事項のまとめ □ 売主幹事会社C I の建築監理部YNさん 営業課長NNさん。 施工者ZT組のリーダーSKさん □ 「先にお話させていただきますが、今朝戴きました誓約書ですが本日は署名 できません。内容的にもいろいろありますし、個人で署名するわけにもいきま せんので、後日お返事させていただきます」と売主NN課長。 □ 記録の読み上げ確認。追加記入、修正等。 「各項目ごとに、これは対応する、これは検討する、と明記してください」とEWさん。 □ 売主CIのYNさんが一項目ずつ読み上げるが、時々読めない字がある。 「すみません、手がかじかんでしまって・・・」とZT組のSKさん。 たしかに、冷たい風が吹きすさぶ共用廊下やバルコニーでスーツ姿での記録は大変 だっただろう。それしても記録用紙の記入欄のスペースが狭すぎるのだ。どうしても 字が小さくなってしまうので、読みにくくなる。 □ YNさんが読み上げ確認の途中、隣に座ったNN課長は下を向いてなにやらずっと 書き続けている。買主指摘の重要な項目をフィードバックに備えてメモしているの だろうか? □ 「NNさん、今の指摘事項の中で、エレベーターホール横の住戸の排気が廊下に 排出されていること、そして乾式界壁に棚を固定したりビス止めしたりしていること、 NNさん御自身確認なさってらっしゃるのですか?」 「いえ」 「いずれも非常に重要なことですので、ご自身の目で確認してください」 「わかりました」 □ 「再内覧会日は2月7日です」 「ではその3日前までに、今日の我々の検査指摘事項の手直し完了を売主として 確認し報告してください」 「我々売主が手直し完了確認するということはやってませんので」 なんと売主の言。 「500戸もありますので、全戸の完了確認などとても手が足りず出来ません」 「全員が求めているわけじゃないでしょう。私が私の住戸について要求しているのです」 「できません。手直し最終確認は施工会社に任せておりますので」 「売主検査と買主検査との違いがよくわかってないのでは? 売主の検査を受けた 施工会社は手直し結果を発注者(売主)に報告をする。今日は買主の検査です。 検査を受けたのは売主、その指摘を受けた売主が検査者・買主に手直し完了報告 をするのは、当たり前のことでしょう」 「お客様のご指摘の手直し完了は、お客様ご自身でご確認いただきます。ご自身が 満足なさるかどうか次第なのですから。二度やっても無駄です。私どもがこれでいいと 思ってもお客様が納得ならないと」 これは売主YNさんの言。 またもや唖然とする。買主検査というものをわかっていないのかそれとも開き直りか? 「今朝の最初の打ち合わせの時に”完璧です”と言ってましたね。ところが私たち の検査でこれほどの多くの指摘があった。 細かい指摘も多々ありましたがそう でない指摘もいろいろとあったでしょう?」 「その指摘はお客様の指摘であって、私どもは売主として今日のこの完成状態で 完璧だと思っております。お客様にご満足いただけるものと・・・」 「満足なんかしてませんっ。不満です!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 □ 「指摘事項のうち売主さんとしての検討項目がありましたよね。その検討結果報告を いつまでに報告してもらえますか?」 「今月いっぱいには・・・」 「全て対応しますという回答ならいいけれど、NOという回答だったりすると、その 後の再交渉に時間がかかります。もっと早く回答してください」 「それはちょっと難しいです」 「であれば、回答内容に私が納得できなければ確認会には応じられないということ でよろしいですね」 「確認会には何とかお出でいただきまして・・・その場でご説明と言うこともあろうかと思い ますので」 「では、YNさんが確認会で説明してください」 「はい」 「次回手直し完了確認日には、今日立ち会っていただいた売主YNさんと施工者SK さんとが立ち会ってください。以上のことをここに記入して、先ずそちらから署名して ください。その後私が署名します」とEWさん。 「売主として私YNが立ち会うことは確約いたします。大丈夫ですよ、逃げませんから」 □ 「共用部分に関しましては売主検査は未だ行っておりません。専有部分を優先 しておりますので。従って、手直し方針や手直し期日をお約束は出来ません」 「では、いつ報告できるか期日を報告してください」 とEWさん。 「共用部手直しスケジュールを提出いたします」 □ 「ではこちらに署名捺印をお願いします」 「その前にそちらから署名捺印してください」 「施工者はこちらにサインしてあります」 「肝心なのは売主さんですよ」 「売主の署名はしません。署名欄はありませんので」 「立会者として署名するの当然でしょ、どこでもいいじゃないですか」 □ ”内覧会確認シート”のコピー受領。 今日も6枚だった。指摘項目数107 > 104 (1番手TOさん) 別にTOさんと張り合った(?)わけじゃないだろうが・・・ 所要時間は、ほぼ同じ9時間だった。 □ 「NNさん、同じ売主C I さんでも支社によって違いますね。例えば横浜支社 などは買主の立場に立った素晴らしい対応をしていますよ。どうしてこうも 違うんでしょうか?」 とEWさん。 「そのことは我々も聞いています」 「支社どうしで交流して、いいところは大いに見習って取り入れるようにしてくだ さい」 19:00 ■ 終わって、その場で簡単に反省会。 □ 「おつかれさまでした」 「内装の完成度は良かったと思います。前回と違って今日の売主担当者の対応は よかったです。ZT組のSKさんたちは誠実に対応してくれたと感謝しています。 問題は界壁絡みと共用部分の設計上の問題と売主の対応ですね。これからも 頑張らないと・・・」 「あれほどの多くの指摘を受けながら、”ご満足いただける状態かと思います”などと・・・ すごいですねー」 「普通なら、申し訳ございませんと謝罪し、何とか改善してその結果をご報告いたします ので、その段階でもう一度お願いします、となると思うんですが・・・」 「よっぽど訓練されているのでしょうね」 「売主にとってマンションは人件費の塊なんだから、つまらないことで抵抗したりせず、 もっと買主に誠実に対応することで、買主との関係を良くして時間を無駄にしない ようにすればいいのにね」 と ”マンション研究者”TOさん。 □ 「これからみんなでそこの居酒屋で飲み会です」 一日がかりの検査だったが、皆さん元気だなあ。 最後まで雪にはならず、強い雨が降っていた。 19:00 ■ 検査終了 ■ 検査所要時間 9時間 (当方純検査所要時間 5時間30分 ) ■ 歩行数 7255歩 (検査中歩行数 1994歩) ■ 指摘事項 107項目 (当方指摘項目 36項目) ■ 大きな指摘事項 (傷・汚れ・隙間以外) □ 共用廊下(非開放廊下) 二重天井凹部の排気口位置不適切 開放廊下先端まで排気ダクトを延長すべき □ 共用廊下 床 長尺シート浮き □ 共用廊下ポーチ前 上部梁付きのキッチン系統排気口からの排気が頭に吹き付ける □ エレベーターホール 三方枠竪枠と壁面との隙間 シール未了 □ エレベーターホール 床仕上 浮き □ トランクルーム 親子扉の位置関係が逆 親子の開閉状態を逆にする □ トランクルーム 扉内部 サムターン不要 あると却って問題 □ メーターボックス 左側扉 がたつき □ 玄関出入口扉枠に壁塗装が被って見苦しい 直線状にきれいに仕上げる □ バルコニー 隣戸間隔てパネル2箇所 両側竪の隙間から隣戸が見える 隙間を塞ぐ □ バルコニー アルミ手摺 大きな摺り傷 □ 洋室(1) 出入口引戸 閉鎖衝撃音が大きい 戸先上部にブレーキが必要 □ 洋室(1) 出入口引戸 引き込み側壁に巾木無し 必要 □ 洋室(1) 引き違いアルミサッシュ 気密不良 クレセント受け取り合いシールに孔あり □ 洋室(1) 給気口が腰窓下部に設置されている 位置不適切 防音型とする □ 洋室(1) クローゼット 棚を界壁(乾式耐火遮音間仕切壁)に固定しているのは不可。 □ 洋室(3)(中洋室) 24時間換気用給気口が無い 必要 □ 洋室(3)(中洋室) 出入口扉 煽れ止めが無い 必要 □ 洋室(3)(中洋室) リビング側引戸 にブレーキが必要 □ 洋室(3)(中洋室) リビング側引戸 引き込み側壁に巾木なし 必要 □ リビング アルミサッシュ 上部戸当たりに当たらない(2箇所) 上下同時当たりとする □ キッチン 水栓蛇口がシンクから外れる 水が床に流れ落ちる恐れあり 角度制限する □ キッチン 下部引き出しが突出している 引き出し奥の浄水器用ホースと干渉している □ 浴室 天井内部 排気ダクト大梁貫通用スリーブに隙間があり騒音が洋室に伝わりやすい □ 洗面室 出入口引戸 閉鎖時衝撃が大きい 戸先上部にブレーキが必要 □ 洗面室 出入口引戸 洗面化粧台端部との間に手を挟まれて怪我する恐れあり □ 洗面室 出入口引戸 引き込みスペースに物が落ちてしまった際開閉不能となる 恐れあり またゴミ溜まりとなり清掃しにくい □ 洗面室 洗面化粧台下部扉 閉鎖音が煩い □ 洗面室 洗濯機防水パン 壁との隙間を塞ぐ □ 洗面室 水栓 給水量が多すぎてオーバーフローが追いつかない □ 洋室(2) 出入口引戸 閉鎖衝撃が大きい 戸先上部にブレーキが必要 □ 洋室(2) 出入口引戸 引き込み側壁に巾木無し 必要 □ 洋室(2) ウォークインクローゼット 棚を界壁(乾式耐火遮音間仕切壁)に固定して いるのは不適切 振動騒音が隣戸に伝わる □ 洋室(2) ウォークインクローゼット ハンガーパイプ端部を界壁(乾式耐火遮音間仕切壁) にビス止めしているのは不適切 □ 洋室(2) 給気口 腰窓下部に設置されているが位置不適切 防音型とする ■ 問題点 □ 売主が騒音実感確認を拒否したこと □ 共用廊下(非開放廊下・・・エレベーターホール入口付近) 二重天井凹部から最寄の 住戸の排気が吹き出す 1箇所はキッチン系統 1箇所は浴室・トイレ系統 この部分は一般の開放廊下とは違い壁で囲まれた廊下、したがって排気の臭気や 湿気や排気騒音が篭ってしまうしエレベーターホールにも侵入する恐れあり したがって多くの人々がその影響を受けるだろう (設計のあまりにも大きな配慮不足 そして売主としても無関心すぎる) □ 共用廊下ポーチ前 上部梁付きのキッチン系統排気口からの排気が頭に吹き付ける 排気口の前面に防風板が設置されているため、通常は前方に排気されるのが下方 に吹き出してしまう この階の殆どの住戸が同じ状況なので廊下を歩くとき住戸毎に 様々な臭いの風を吹き付けられる (設計配慮不足) □ トランクルーム 親子扉の親(大きいほう)扉を開けたらなんとすぐそこに巨大な コンクリートの柱があり殆どものがおけるスペースは無い 反対側の子扉(小さい方)を開けるとその奥には通常の奥行きがある 扉の左右がってが全く逆なのだ 生活者の使い方を全く考えていない (設計配慮不足) □ トランクルーム 扉内部 サムターン不要 あると却って問題 □ バルコニー 隣戸間隔てパネル2箇所 両側竪の隙間から隣戸が見える (プライバシーへの配慮不足) □ 各室 出入口引戸 ブレーキが無いため閉鎖衝撃音が大きい (騒音防止への配慮不足) □ 各室 出入口引戸 引き込み側壁に巾木無し (生活者への配慮不足) □ 各洋室 給気口が腰窓下部に設置されていて室外機騒音や共用廊下歩行音が侵入する (騒音防止への配慮不足) □ 各洋室 (ウォークイン)クローゼット 棚を界壁(乾式耐火遮音間仕切壁)に固定して しまっているため振動騒音が隣戸に伝わりやすい (設計ミス) □ 洋室(2) ウォークインクローゼット ハンガーパイプ端部を界壁(乾式耐火遮音間仕切壁) にビス止めしまっていることによる界壁性能(耐火・遮音)・耐久性に関する問題あり (設計ミス) □ バルコニー 隣戸間隔てパネル両側縦に大きな隙間があり、お互いに見えてしまう (プライバシーへの配慮不足) □ 各室 引戸にブレーキが設置されていないため衝撃音が煩い (騒音防止への配慮不足) □ 洗面室 出入口引戸と隣接する洗面化粧台との関係に安全上・使い勝手上の問題あり 引戸を開けるとき間に挟まれて怪我する恐れあり 引戸引き込みスペースに物が入り込んだ場合の開閉障害や清掃の困難であること (設計配慮不足) □ 洋室(3)出入口扉 煽れ止ストッパー設置無し 怪我する危険性 (設計配慮不足) ■ 良かった点 □ 内覧会の事前に売主検査結果報告を受けられたこと □ 売主幹事会社建築監理部建築担当者から各種報告があったこと □ 売主幹事会社建築監理部建築担当者が最終段階で立ち会ったこと □ 施工者が終始立ち会ったこと □ 施工者立会者の対応は非常に誠実であったこと □ アルミサッシュ 片引戸にアシストハンドルが設置されていること (開閉しやすさへの配慮) □ アルミサッシュに指挟み防止ストッパーが設置されていること (怪我防止への配慮) □ 引戸彫り込み引き手に引き残しがあること (怪我防止への配慮) □ トイレ出入口扉とレバーハンドルが廊下壁面より凹んでいること (気配り) □ ウォークインクローゼットに通気孔が設置されていること (換気への配慮) □ 内装仕上の出来栄えはよかったこと ■ その翌朝、EWさんからメールが届きました。 おつかれさまです。 昨日はほんとうにありがとうございました。 メールを書きながら寝てしまっていました・・・。 お礼が遅くなり申し訳ありません。 妻も、実際に村上さんのお仕事振りと売主のあの態度を見て 次回は私がしっかりと買主として主張すると言っています。 彼女なりに売主の姿勢は間違っていると感じた様子です。 内装の状態は期待以上でその部分は安心したのですが共用部分 と売主の基本姿勢に大きな問題があると感じました。 村上さんにチェックいただいた個所は我々では気づけない個所 で、かつ非常に生活の基本となる機能や安全性で重要な項目 が多かったです。 村上さんにご指摘いただいた個所は売主の対応としては「検討」 が多いですが、検討では終わらせず、改善対応を売主がする ように今後とも強く求めていく所存です。 また、指摘事項確認の際はNN課長が熱心にメモを取っていていただ いていたようですので、今後にフィードバックされることを期待しています。 昨日は11時頃までネット仲間とお酒を飲んでしまいました・・・。 お手伝いいただいたTOさん、INさんご夫婦、コミュニティメンバーの方 3名の合計8名という大人数でお酒を飲んですごく楽しい時間を過ごし ました。 あっという間の楽しい時間でした。入居後、皆さんとの交流がほんとうに 楽しみです。 今日までの道のりを振り返りますとほんとうに長い間売主との交渉が 続き、疲れたなーというのが今の正直な感想です。ですがまだまだ 売主の頑なな対応は間違っていると思いますし私の勤めている業界 では、売主CIのような対応はありえません。 それに比べ、売主の対応は、「やりません」 「納得してください」という ような内容の押し付けで楽でいいなぁと思ってしまいます。 妻もそういった態度に相当驚いていました。 昨日検討事項となった件については納得できない場合は再内覧会の 延期などなど、こちらとして3月に引渡しを受けなければならない理由は ないので年度をまたごうがしっかりと対応を協議してもらい報告を受け たいと考えています。 まだまだ村上さんのお力をお借りすることが多いですが今後ともよろしく お願いいたします。 昨日は本当にありがとうございました。 PS.昨日は検査終了後気が抜けたのかいきなり足をつってしまいました・・・。 村上さんの体力に敬服いたします。ハードなお仕事だと思いますが、 マンションを購入する者にとって村上さんの存在は大変心強いです。 本当にありがとうございました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ NHK出版 生活人新書 ■□■ 「良質なマンションを手に入れる」 村上 健 著 ■□■ どうぞ、ご参考になさってください。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 一級建築士 ・ マンション管理士 村上 健 HP http://www5d.biglobe.ne.jp/~t-muraka/ メルマガ http://www.melma.com/backnumber_63026/ ブログ http://kensanno-mansion-advice.at.webry.info/ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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